富士山須走口旧馬返から登る
須走口を旧馬返から5合目まで登る須走キャニオンルートを解説する2ページ目です。
須走口を旧馬返から5合目まで登る須走キャニオンルートを解説する2ページ目です。
さて、「悪路×」の谷が正しいルートではないことはもうお分かりでしょう。では、どこに道があるのか。それは、崖の上です。
最終的には、大岩ゴロゴロの谷の上に出るのですが、そのためには二股の谷に挟まれた崖の、その上に出なければなりません。
美しい森
上に出たら、崖から少し離れましょう。まばらに木が立つ中に、ハッキリとした道がみつかるはずです。この道は、これまでの荒涼とした谷底から来ると、まるでおとぎ話の世界のように平和で快適です。このようなギャップも、このルートの魅力のひとつですね。
道は緩やかに登り続けますが、息が切れるほどではありません。しばらく登り続けると、道が別れたり、段々不明瞭になって来ます。ルート取りに迷ったら、慎重に崖の方へ出てみましょう。それまでの断崖から、緩やかな砂丘のような場所の上に出るはずです。ここからの景色もまたすばらしいものです。まるで天上から下界を見下ろしているかのような。
きのこの森
道が見つけ出せれば、その先の森は難しくありません。やや踏み跡が不明瞭なところもありますが、濃霧でもなければ道に迷うようなことも無いでしょう。この辺りでは、きのこ狩りに来ている人を良く見かけます。
山中湖が見える
小さな森へ (中央左の白い棒のようなものが入口)
あとは、道に迷うようなことも無いでしょう。この辺りは霧が出やすいのですが、晴れていれば荒涼とした中にも、生命の息吹が感じられる一種独特の景観が楽しめるでしょう。足元も砂利ばかりのようでいて、逞しく根を下ろす植物があちこちに見られます。いずれこの場所も、何千年か先には緑豊かな森へと変わるのでしょうね。
やがて小石を積み重ねた小山に守られるように、三角点が姿を現します。といって他に何もありませんが、やっと終わりに近づいたことにホッとされることでしょう。そのまま登ると、森へと入ります。尾根の上を歩いていれば、森の入口を見つけるのは難しくありません。但し、濃霧で無ければですが。
晴れたときに来たい
森は小さく、すぐに抜けられます。またガレた斜面を登るとすぐに小富士の山頂です。
小富士は、山頂というより尾根の一番高いところぐらいの感じですが、まぁ見晴らしは悪くありません。晴れていれば忍野方面、少し下って右を向けば山中湖が見られるでしょう。もし霧が出ていても、少し待てば晴れてくることも多いです。休憩がてら、のんびり待ちましょう。
5合目まではまた森を通り抜けます。須走口五合目と小富士はほぼ同じ標高なので平行移動で楽だと思うでしょうが、意外と登ったり下ったりを繰り返します。ゴールが近いと妙に気分が浮ついて急ぎ足になりますが、そういうときこそ落ち着いてペースを乱さないようにしましょう。
疲れたらバスで帰ろう
お疲れ様でした、無事5合目に着けましたでしょうか。
帰りはまたグランドキャニオンに戻るのは大変ですから、5合目からバスで帰ってもいいでしょう。但し、下りだけにこのルートを使おうとして、初見で下るのはオススメしません。何箇所も道迷いポイントがあるからです。道標はもちろん、目印など何も無いので、初めてで正しいルートを下るのはまず不可能だからです。