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LastUpdate 2016/04/28

富士山須走口旧馬返から登る

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須走口を旧馬返から5合目まで登る須走キャニオンルートを解説する2ページ目です。



須走キャニオンルートその2

いよいよグランドキャニオンの上へと進みます。この先は、初心者の方は無理に進もうとしないでください。

道迷い、転落、滑落の恐れがあります。

▲TOP

グランドキャニオンを抜けて

さて、「悪路×」の谷が正しいルートではないことはもうお分かりでしょう。では、どこに道があるのか。それは、崖の上です。

最終的には、大岩ゴロゴロの谷の上に出るのですが、そのためには二股の谷に挟まれた崖の、その上に出なければなりません。

Check Point!

崖の上に出る道

二股の谷の間を登る

悪路×」と書かれた岩を過ぎてすぐ右側にロープが垂れています。かつては、このロープを伝って上に上がれたのですが、2013年6月の時点では、このロープが土に埋もれていました。そこで、このときは谷の間の突き出した部分から登りました。しかし、今現在この場所がどうなっているか、分かりません。つまり、ここを登る方法を自ら見つけ出せる人でなければ、この先には進めないわけです。

倒木の谷の上へ

どうにかして崖の中ほどまで登ると、さらに先に伸びるガイドロープが見つかるはずです。そのロープに沿って右に回りこんで行くと、倒木の谷の上の森の中に出ます。もちろん、道標などは一切ありません。踏み跡さえもありません。この先は、崖と平行に登って行くのですが、その崖の上に出るための道を見つけ出さなければいけません。

崖の手前に道がある

ここは、斜面を真っ直ぐ登っていくのが本来の道なのでしょう。ですが、倒木が多過ぎて、道が分からなくなっています。そこで、一度岩だらけの谷の方へと進んでください。このとき、決して進み過ぎないように。崖から真っ逆さまに落ちてしまいます。

藪をかき分ける判断も必要

慎重に見回しながら進むと、笹の中にかすかに踏み跡が見つかるはずです。左の崖に落ちないように、慎重に登って行きましょう。平らな疎林に出たら、もう安心です。

但し、この道もいつ崖崩れが起こってもおかしくありません。少しでも危ないなと思ったら、崖から内側に道を作った方が安全です。このように、笹などが密生した道の無いところを進むのを「藪漕ぎ(やぶこぎ)」と言います。足元や前方の視界が遮られるので、高度な警戒能力が求められます。

▲TOP

天上の回廊

美しい森

上に出たら、崖から少し離れましょう。まばらに木が立つ中に、ハッキリとした道がみつかるはずです。この道は、これまでの荒涼とした谷底から来ると、まるでおとぎ話の世界のように平和で快適です。このようなギャップも、このルートの魅力のひとつですね。

道は緩やかに登り続けますが、息が切れるほどではありません。しばらく登り続けると、道が別れたり、段々不明瞭になって来ます。ルート取りに迷ったら、慎重に崖の方へ出てみましょう。それまでの断崖から、緩やかな砂丘のような場所の上に出るはずです。ここからの景色もまたすばらしいものです。まるで天上から下界を見下ろしているかのような。

Check Point!

グランドキャニオンの先へ

必ず道はある

砂丘を転げ落ちないように気をつけながら先へ進むと、やがて峡谷の終わりになります。谷の上に続いていた砂地も切れて森へ入っていきます。この森に戻るときに、適当に入ってはいけません。必ず道がありますので、右方向へ登りながら道を見つけだしてください。ここで安易に森に足を踏み入れると、道迷いの原因となります。

なお、写真で谷底へと続く足跡は、人のものではなく、カモシカによるものです。足跡に釣られて谷を降りて行くと、登り返しが大変ですよ。

▲TOP

ガレ山を登る

きのこの森

道が見つけ出せれば、その先の森は難しくありません。やや踏み跡が不明瞭なところもありますが、濃霧でもなければ道に迷うようなことも無いでしょう。この辺りでは、きのこ狩りに来ている人を良く見かけます。

Check Point!

森からガレ場の尾根へ

斜面は真っ直ぐ登れ

森の中をしばらく歩くと、傾斜が急になるとともに、地面が砂利混じりになって来ます。やがて森を抜け、視界がひらけると小石交じりの砂利の急斜面が壁のように立ちはだかります。

ここで左を向くと、斜面をトラバース(横断)するように踏み跡が続いています。これは、やはりカモシカやきのこ狩りに来た人がつけたもので、正規のルートではありません。前方の斜面があまりにも急なので、つい楽な方へ逃げそうになりますが、ここは真っ直ぐ直登(ちょくとう)してください。やがて、饅頭のようにこんもりとした平坦な尾根へ登りつきます。

尾根の降り口を記憶しておこう

尾根に出たら左へ向けて斜面が登っているのが分かると思います。ここでもあの「お約束」を実行してください。お約束とは、振り返って、今自分が来た道を覚えることです。もし何らかの理由でこの道を下る場合、何の目印も無いので森へ入るポイントを見失いがちです。

私も初めてこのルートを登った帰りに、森への降り口が分からずに苦労しました。尾根の左右はザラザラの小石の斜面で、間違って降りてしまうと登り返しが辛いのです。ですので、忘れずに、「尾根を降りて森へ入るポイント」を意識に焼き付けてください。

延々とガレ場を登る

そのまま登って行けば1906ピークを通って、小富士へと至ります。ここは霧が出やすいので、写真のように岩に描かれた白丸を辿ってください。この登りは想像以上に長く、延々と同じような景色が続くので体力的にも精神的にも最もキツイところです。ここで無理をせず、ゆっくりと、少しずつ、確実に高度を稼いで行きましょう。

▲TOP

1906ピーク

山中湖が見える


標高1906m三角点


小さな森へ
(中央左の白い棒のようなものが入口)

あとは、道に迷うようなことも無いでしょう。この辺りは霧が出やすいのですが、晴れていれば荒涼とした中にも、生命の息吹が感じられる一種独特の景観が楽しめるでしょう。足元も砂利ばかりのようでいて、逞しく根を下ろす植物があちこちに見られます。いずれこの場所も、何千年か先には緑豊かな森へと変わるのでしょうね。

やがて小石を積み重ねた小山に守られるように、三角点が姿を現します。といって他に何もありませんが、やっと終わりに近づいたことにホッとされることでしょう。そのまま登ると、森へと入ります。尾根の上を歩いていれば、森の入口を見つけるのは難しくありません。但し、濃霧で無ければですが。

▲TOP

小富士:1979m

晴れたときに来たい

森は小さく、すぐに抜けられます。またガレた斜面を登るとすぐに小富士の山頂です。

小富士は、山頂というより尾根の一番高いところぐらいの感じですが、まぁ見晴らしは悪くありません。晴れていれば忍野方面、少し下って右を向けば山中湖が見られるでしょう。もし霧が出ていても、少し待てば晴れてくることも多いです。休憩がてら、のんびり待ちましょう。

5合目まではまた森を通り抜けます。須走口五合目と小富士はほぼ同じ標高なので平行移動で楽だと思うでしょうが、意外と登ったり下ったりを繰り返します。ゴールが近いと妙に気分が浮ついて急ぎ足になりますが、そういうときこそ落ち着いてペースを乱さないようにしましょう。

▲TOP

須走口五合目:1970m

疲れたらバスで帰ろう

お疲れ様でした、無事5合目に着けましたでしょうか。

帰りはまたグランドキャニオンに戻るのは大変ですから、5合目からバスで帰ってもいいでしょう。但し、下りだけにこのルートを使おうとして、初見で下るのはオススメしません。何箇所も道迷いポイントがあるからです。道標はもちろん、目印など何も無いので、初めてで正しいルートを下るのはまず不可能だからです。

東富士山荘

※写真は許可を得て撮影・掲載しています。値段などは撮影時から変更されている可能性があります。

5合目には、食事も出来る山小屋が二軒あります。

東富士山荘は、宿泊出来ません。

東富士山荘
営業期間例年4月下旬~11月中旬
2014年4月30日(水)~
2013年4月26日(金)~11月4日(月)
営業時間[7~9上旬] 6:00~20:00
[9月中旬~] 6:00~17:00
個室有無/
収容人数
食堂・売店のみ
トイレ使用料200円:水洗 [屋外] (営業時間外は使用不可)
その他更衣室有*無料
荷物預り*無料
弁当販売*
お湯販売*200~300円
携帯充電*携帯充電器あり(200円/10分)
AED有(自動体外式除細動器)
*は2012年、*は2013年、*は2014年に管理人が直接聞き取り調査した時点の情報です。※営業期間、営業時間などは目安であり、天候、曜日、時期などにより変更される場合があります。

山荘 菊屋

※写真は許可を得て撮影・掲載しています。値段などは撮影時から変更されている可能性があります。

菊屋は、宿泊も可能です。

山荘 菊屋
営業期間食堂売店例年4月下旬~11月中旬
2014年4月25日(金)~
宿泊同上
予約受付不明
営業時間*[7~9月中旬] 4:00-5:00~20:00 or 21:00
*[4~11月] 6:00~17:30 or 18:00
個室有無/
収容人数
70名
CHECK IN/
消灯
IN*15:00~
消灯*[7~9月中旬] 自由に就寝可能
*[4~11月] 21:00~翌3:00の間消灯
OUT
トイレ使用料[利用客] 無料/[一般] 200円:[屋内]
その他*着替えスペース
弁当販売
お湯売無*
AED無*(自動体外式除細動器)
*は2012年、*は2013年、*は2014年に管理人が直接聞き取り調査した時点の情報です。※営業期間、営業時間などは目安であり、天候、曜日、時期などにより変更される場合があります。
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