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LastUpdate 2016/04/28

富士登山のためのトレーニング

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トレーニングの前に考えよう。


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トレーニング、その前に

全く登山経験の無い初心者が最初にやるべきこととは何でしょうか?それは、人それぞれ違います。

年齢や性別、スポーツ経験や体力差など、置かれた状況は様々ですから、「これが絶対だ!」という答えはありません。この項目では、基本的に普段運動不足で、スポーツ経験の無い人が、運動不足の解消から練習登山が出来るようになるまでを流れに沿って説明したいと思います。普段からスポーツをしている方も、改めて確認することは無駄ではないと思います。

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登山にトレーニングは必要か?

ハードなトレーニングは不要


これは必要ない
(image from 写真素材 足成)

富士山には、幼稚園児から100歳を超えるようなお年寄りも登頂しています。一方で、少なからぬ人が登頂できずに無念の涙を飲んでいることも事実です。では、山頂まで登れなかった人は、登山のためのトレーニング不足が原因だったのでしょうか?また、トレーニングを行えば必ず登頂出来るのでしょうか?答えは否です。

私自身、登山のために特別なトレーニングをしているかと言えば、そんなことはありません。私が初めて富士山に登ったのは30歳ごろでしたが、当時はフットサル(ミニサッカー)をやっていたり、いくらか登山の経験があったので運動不足ということは無かったですが、登山に特化したトレーニングは何もしていませんでした。

しいて言えば、『片足立ち』と爪先立ちでカカトを上げる『カーフレイズ』を、信号待ちや駅のホームで電車を待つ間など暇を見てやっていただけです。どちらも、主にバランス感覚を鍛える目的で今でも習慣的にやっています。これだけでも、登山に役立っていると効果を実感出来ます。そんな大げさなトレーニングなんて実は必要ないのですね(もちろん運動不足の解消や、人並みの脚力を保つトレーニングは必要です)。

要するに、若いうちは体力まかせでも登れないことはないので、さしてトレーニングは必要ないのではないかと思うのです(もちろん、全く無用とは言いません)。しかし、多少年齢を重ねると基礎体力も衰えますから、トレーニングが必要な人もいらっしゃるでしょう。しかし、ハードな筋力トレーニングやランニングは必要ありません。むしろ、そのようなトレーニングよりもずっと重要なことがあります。

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練習登山こそ一番のトレーニング

練習登山で得られる経験

富士山を登ろうと決めたけど、予定日まであまり日にちがないという場合にはトレーニングよりも練習登山を優先して行いましょう。もちろん、時間に余裕がある方はトレーニングもいいですし、同時に山に登る機会も積極的に作るといいです。なぜなら、登山で得られる経験はトレーニングだけでは得られないものばかりだからです。

練習登山によって、「重い荷物を背負って不整地を歩く感覚」、「登山で消費する飲料水の量」、「標準コースタイムに対する自分のペース」などが分かります。他にも、「道具の使い方」を覚えたり、「新しい登山靴を慣らす」など、数え上げればきりが無いほど色々と得ることがあります。トレーニングという意味でも、山に登る筋肉を鍛えるのに山登りそのものが最も効果的なのは自明のことです(荷物を意図的に重くするなどすれば、より効果的です)。

トレーニングは、正しく行えば持久力や心肺機能などを高める効果を期待できますが、登山に必要とされるのは単に体力だけではないと理解しておくと、トレーニング計画もより実践的で効果の高い方法が考えられるでしょう。練習登山につていは後の項目で詳しく取り上げる予定ですが、「富士山に登る前には、練習登山が必要不可欠」ということだけは覚えておいて下さい。

以下、登山に最低限必要な基礎的なトレーニングから話を進めて行きます。但し、体力、体質には個人差があり、ここに書かれていることをそのまま実行したからといって登頂を保証するものではないことは予めご了承ください。

いきなり無理をしないで

また、これから読んでいただくトレーニング内容では生ぬるいと思う方もいらっしゃるかもしれません。これは、登山の年齢層がかなり幅広いために、どのような人が見ているか分からず、大きな安全マージンを取っているからです。もっとガッツリと鍛えたいという方は、水泳、自転車などでのトレーニングをレクチャーしてくれるサイトを探してみることをお薦めします。

中には、登山のトレーニングにランニングを勧める人も居ますが、運動不足の人がいきなりランニングを始めるのはお薦めしません。登山の前に、膝を壊す恐れもあるからです。トレーニングにも順序がありますから、走るにしてもジョギングなど軽いものから始めるのが鉄則です。

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STEP 0トレーニングの準備

トレーニングの目的をハッキリさせる

効果的なトレーニングのためには、登山中、もしくは登山後に発症する身体的なダメージから、何が必要かを逆に考えることが肝要です。つまり、何のためにトレーニングするのか目的を見定めることで、何をすればいいかも分かります。そこで、登山によってどのようなダメージを受けるのか見てみましょう。

Check Point!

登山で予想される身体的ダメージ

  1. ふくらはぎなどの筋肉痛
  2. 膝など関節の痛み
  3. 転倒や足が滑って尻餅をつき、足首の捻挫など怪我をする
  4. 足の裏にマメ、水泡ができたり、靴擦れで皮が剥けるなど、足の皮膚に関するトラブル
  5. 足の爪の剥がれ、内出血や痛みなど
  6. 極度の日焼け

このうち、『E』の爪は鍛えようがないので、別の方法で対処することになります。具体的には別のページで詳しく説明しますが、『F』の日焼け対策と共に、トレーニング前のSTEP 0(ゼロ)として次の項目で簡単に触れておきます。

では、これらの問題から逆算して鍛えるべきポイントを整理してみましょう。

  1. ふくらはぎを始めとする筋肉、関節を柔軟にするストレッチやトレーニングを行う=『A』
  2. 膝などを支える筋肉を鍛えると共に、平衡(バランス)感覚を高める=『B』,『C』
  3. 足の裏の皮膚を鍛える=『D』

これらを鍛えることで同時に体力も付き、より安全に余裕を持った登山が出来る身体を作り上げることが出来るはずです。

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爪のお手入れ

爪の内出血や剥がれ


爪を切り揃える
(image from 写真素材 足成)

登山で意外と盲点なのが、爪のトラブルです。登山靴は、スニーカーなどと比べて硬い革や丈夫な布で作られています。足の爪が伸びていると、この革や布に爪が引っかかって剥がれるなどのトラブルが起こります。登山やトレーニングの前には、手の爪と共に足の爪も切る習慣を身につけましょう。

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日光浴

日焼けに慣れる


適度な日光浴
(image from 写真素材 足成)

トレーニングはジムなど屋内でも出来ますが、出来るだけ外に出て行うといいでしょう。ジムでのトレーニングを否定するわけではありませんが、屋外でのトレーニングには大事なメリットがあります。それは、太陽の日差しを浴びることでメラニンを生成し、日焼け(紫外線)に強い肌を作ることです。

メラニン色素というと、肌のシミなどを連想して『美容の敵』とみなす女性も多くいるでしょうが、茶色い色素であるメラニンは、皮膚の表面で紫外線を吸収し、紫外線が皮膚組織により深く浸入し体細胞を傷つけることを防ぐ機能があります。メラニン色素の肌への沈着(日焼け)は、紫外線から肌を守る身体の防御反応として働いているのです。

富士山の強烈な日差しに備えて事前にある程度の日焼けをすることは、肌に耐性を与えることになります。つまり、普段日光を浴びていない人(日焼け耐性のない人)が、いきなり強い日差しの中におかれたときのリスクを軽減するということです。

紫外線が骨を強くする

過度の日焼けは良くありませんが、トレーニングの間の1時間程度の適度な日光浴は、健康維持のためにも必要です。人体は、紫外線を浴びることで、皮膚で『ビタミンD』を作り出します。

ビタミンDは、血中のカルシウム濃度を高める作用があり、骨を丈夫にします。逆に言えば、日光浴不足は骨を弱めてしまい、骨折などが起こりやすくなります。また、太陽光線を浴びることで、精神的な賦活効果があるとされています。

特に、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になりやすい女性は、過度な日焼け対策を取らず、適度に日光浴を行いましょう。

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