運動不足の人は、日ごろ歩く習慣があまり無い人が多いと思います。そのような人は、足の裏が柔らかくプヨプヨで、そのまま富士山を登ったりしたら足の裏が大変なことになってしまいます。
靴擦れ、血豆、水疱など、足の皮膚のトラブルのほとんどは、靴の内側と皮膚の摩擦で起こります。肌をカチカチにする必要はありませんが、10時間近い登山を痛み無く歩き通せるだけの丈夫な皮膚を作ることが最初のステップです。
足の裏の皮膚を鍛えるには、やはり歩くことが一番です。もちろん、他にも心肺機能や持久力を高めるなどの効果がありますが、とりあえずは足の裏を鍛え、皮膚を厚くするだけでも登山によるトラブルの可能性がひとつ減ることになります。
ふくらはぎは第二の心臓
ウォーキングには、他にもメリットがあります。一般に「ふくらはぎは第二の心臓」と言われ、足で鬱血(うっけつ)した静脈血を心臓に送り返すのにふくらはぎの筋肉が関係しているそうです。ここでは細かい説明は省きますが、要するに足を動かすことで血流が良くなり、健康促進にも役立つということですね。
海岸や河川敷、池や樹林がある広い公園、田んぼのあぜ道など、地面に適度なクッション性があり、毎日散歩しても飽きないような場所が最適です。また、適度な傾斜があり、坂を上り下りするような場所があれば、より効果的です。
他の趣味とトレーニングを結びつけるのも効果的です。例えば、写真を撮る趣味があるなら、散歩に出るときにカメラを持ち出しましょう。近所の公園や路地でも普段気に留めていなかったものが被写体になることに気付いたりします。他にも、絵画、俳句、食べ歩きなどを目的に徐々に足を伸ばしていけば、『歩く動機付け』になって長続きします。
歩き方の偏りを矯正しよう
長時間歩くと、最初のうちは足の裏に水ぶくれが出来たり皮が剥けたりといったことが起きるかも知れません。その水疱などのできる場所に偏りがないか確認しましょう。偏りがあれば、その水泡の出来る場所に過度に負担がかかっているということです。
例えば、足の裏の外側に水疱が集中していれば、足の外側が先に地面について、足の裏が地面に対し水平に接地していない証拠です(『O脚(オーきゃく)』に多い)。次に歩くときは、水平に足を下ろすように意識的に歩き方を矯正してみてください。歩き方のバランスが崩れていると、足の裏だけでなく膝へも負担が掛かるので、まずは正しい姿勢と歩き方を無意識に出来るようにすることが先決です。
そして、歩くのに慣れてきたら足の皮膚が厚くなって耐性がつきますから、皮がむけたり水疱が出来たりもしなくなります。人によって差がありますが、1~2週間で足裏の準備は整うでしょう。
運動の量と質
ウォーキングを歩数で評価する考え方も有りますが、ただ一万歩とか歩数を稼げばそれでいいというわけではありません。「運動の量」だけに捉われず、同時に「運動の質」も上げることが大切です。
運動の質は、『運動の強度(負荷)』の他に『運動の継続』が重要な要素です。運動の継続とは、「三日坊主にならずに毎日やりましょう」という意味ではなく、1回の運動における時間の長さです。1分間の運動を10回繰り返すよりも、連続して10分間の運動を1回やる方が持久力のトレーニングでは効果が上がることもあります。
歩行による運動で効果をあげるには、最低でも毎分60歩以上のスピードで連続10分以上、出来れば毎分100歩以上で合計30分は歩く必要があるようです。だらだら歩いて一万歩では意味が無いということですね。