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LastUpdate 2016/04/28

富士山の魅力

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日本の象徴(シンボル)とも言われる、富士山について。

日本の象徴


グーグルマップで富士山地形図を表示 (このままでも操作出来ます)

美しき富士

富士山は、日本一高い山です。

標高は、3,776.24mと、日本第2位の北岳(3,193m)と比べても飛びぬけて高いことが分かります。静岡県と山梨県の境に跨って立地し、太古の昔から日本のシンボル、霊峰として、崇め畏れられてきました。

富士山の裾広がりの美しい形は、噴火を繰り返した成層火山特有の形成過程によって円錐形の山体が形作られ、周囲に同等の高さの山脈が無い独立峰であることで、より一双際立っています。
こうして書くと無味乾燥な説明になりますが、やはり富士山の魅力がその象徴的な美しさにあるのは間違いないでしょう。しかし、この美しさというのは言葉では中々表現し尽くせないもので、また、写真で見るのと実物を目の前にするのとでも大きな違いがあります。

富士山の裾広がりの美しい形は、噴火を繰り返した成層火山特有の形成過程によって円錐形の山体が形作られ、周囲に同等の高さの山脈が無い独立峰であることで、より一双際立っています。
こうして書くと無味乾燥な説明になりますが、やはり富士山の魅力がその象徴的な美しさにあるのは間違いないでしょう。しかし、この美しさというのは言葉では中々表現し尽くせないもので、また、写真で見るのと実物を目の前にするのとでも大きな違いがあります。

富士山の裾広がりの美しい形は、噴火を繰り返した成層火山特有の形成過程によって円錐形の山体が形作られ、周囲に同等の高さの山脈が無い独立峰であることで、より一双際立っています。
こうして書くと無味乾燥な説明になりますが、やはり富士山の魅力がその象徴的な美しさにあるのは間違いないでしょう。しかし、この美しさというのは言葉では中々表現し尽くせないもので、また、写真で見るのと実物を目の前にするのとでも大きな違いがあります。

大きな富士

実際に、私も富士山の様々な写真を見てはいますが、肉眼で富士山を捉えたときの迫力、圧倒的な存在感には常に新鮮な感動を覚えます。ですから、みなさんにはぜひともご自身の目で富士山をご覧になることを強くお勧めします。富士山に登らなくても、また、麓まで近づかなくても、富士山が見える場所まで足を運んでみてください。美しさだけでなく、その大きさ、スケール感まで実感出来ることでしょう。

また、富士山はいつ見ても見飽きることがありません。

富士山には四季があります。富士山というと、雪をかぶった白と青の秀麗な姿が思い浮かぶでしょうが、夏の富士山は雪も溶け、赤岩が剥き出しの荒々しい一面を見せています。

さらに、富士山は色々な場所から、様々な背景と共に見ることが出来ます。その巨大さゆえに他の山などに遮られなければ、周囲300kmにも及ぶ広範囲の色々な場所で、その土地土地の風景に溶け込んだ富士山の山容を見ることが出来るのです。

Check Point!

富士山は日本で最も高い展望台

計算上では、富士山山頂から約230km先の地面まで見通せるとか。

逆に、富士山を見ることが出来る最も遠い場所は、和歌山県の妙法山(標高749m)で、富士山から322.6kmの距離だそうです。上記の距離よりも遠いですが、これは平地と山の上の違いで、高い山に登ればより遠くまで見渡せるため、富士山もより遠くから見られるのです。

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荒ぶる山

富士山は休火山ではなくなった

富士山は、かつては休火山であると言われていましたが、現在では『休火山』『死火山』という分類は使われなくなりました。

活火山は、「概ね1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」という定義に改められ、宝永4年(1707年)の宝永大噴火(約300年前)が最後の噴火となる富士山も活火山に分類されています。

宝永4年というと日本は江戸時代にあたり、江戸幕府第五代将軍、徳川綱吉が治めていました。

宝永大噴火の前には、現在の和歌山県(紀伊半島)南方沖を震源と推定される宝永大地震(M8.4~8.7)が起こり、その49日後の宝永4年11月23日(現在の暦で1707年12月16日)に富士山の中腹南東斜面から噴火し、16日間続きました。そのときの噴火口が、現在の宝永火口です。

先の噴火が大地震のしばらく後に連動するようにして起きたことから、東日本大震災の影響によりまた噴火するのではないかとの憶測もあります。なお、火山噴火予知連絡会によると富士山の現在の噴火警戒レベルは、5段階の一番下の1(平常)とされています。

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観光地としての富士山

観光地としても一級

富士山は、特に北側山麓の富士五湖を中心に、観光地としても一級の集客力を誇っています。2013年の世界文化遺産登録によって、注目度はより高まっていると言えるでしょう。

山梨県側の富士山中腹に至る自動車道、富士スバルラインの終点にあたる5合目には毎年200万人以上の観光客が訪れ、中でも7,8月の訪問者が4割ほどを占めています。
また、富士山有料道路(富士スバルライン)の通行量は、2012年で約47万台となっています。

一方、静岡県側では、10年ほど前の古いデータですが、おおよそ30~40万人で推移しているようです。
富士宮市がまとめた平成23年(2011年)の富士宮口五合目への来訪者数は約17万人で、須走口、御殿場口と合わせても山梨県側の5分の1以下です。

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世界遺産になった富士山

あるがままから守るべき遺産へ

富士山は、ユネスコの世界文化遺産へ2013年6月22日に登録されました。

富士山の地元となる山梨・静岡両県は、当初は自然遺産での登録を目指していましたが、富士山麓の不法投棄など環境面の課題(所謂ゴミ問題)から自然遺産での申請を断念し、改めて文化遺産としての申請を経て、『富士山‐信仰の対象と芸術の源泉』の名称で登録が認められました。

世界遺産に登録されたということは、単にその価値が人類史的に認められたというだけでなく、今後も未来の世代に対して継承していく義務が我々には課せられているということでもあります。

歴史に触れる登山

文化遺産を構成する資産は二十五箇所に及び、その多くが富士登山とも係わりの深い歴史を持っています。それは、吉田口登山道、須走口登山道を始めとした山頂に至る各登山道及び、その起点となる浅間神社などです。

富士山は古(いにしえ)から信仰の対象とされ、度々の噴火によっても荒ぶる火の山として崇め畏れられて来ましたが、近年は観光地としての面ばかりにスポットが当てられていた現実があります。しかし、富士山に登るにあたってはそれらの歴史を踏まえて意識することで、より意義深いものを感じることが出来るでしょう。

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登山ブームに沸く富士山

登山者が急増

近年は、空前の富士登山ブームにより富士山に限らず登山者が急増していますが、富士山の開山期間は登山道から雪の消える7月から8月の2ヶ月という短い期間であり、その間にのべ30万人(一日平均約5千人)以上もの多くの登山者が詰め掛けることで、登山道において大渋滞が発生することが問題視されています。
特に富士登山だけにみられる特徴として、夜間登山者の多さがあげられます。これは、山頂で御来光(ごらいこう=日の出)を見ようという登山者が、夜の間に山頂まで上り詰めるもので、世界的にも類を見ない夜間登山者数を記録しているものと思われます。

近年は、『弾丸登山(だんがんとざん)』と称される徹夜登山が特に問題視され、視界の悪い夜に登ることで転倒や迷子を誘発するほか、夜間の寒さに加え、寝不足状態で登ることで体調を崩すなど、無謀な行動が登頂率を下げる要因となっているとみられています。

このように登山者、観光客の多く訪れる山ではありますが、独立峰ゆえの風の強さ、気圧の低下による高山病、森林限界を超えているために昼間の照りつける日差しから逃れる木陰がないことや、夜には氷点下近くまで一気に下がり、昼間との気温差が大きいなど、富士山の自然環境の厳しさは決して甘く見てはいけないことを知っていただきたいと思います。

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富士山の自然環境


富士山山頂の気温 平年値 1981~2010年

富士山は、一年のほとんどの期間、雪に閉ざされています。厳冬期である1月、2月の最低気温は、平均でもマイナス20℃を下回り、風速は平均15m/sを超える、雪と氷と突風の、人を寄せ付けない厳しい世界です。
これまでの観測史上では、1981年2月27日に最低気温マイナス38℃(日本全国でも北海道の3地点に次いで4位)、1966年9月25日に最大瞬間風速91m/s(全国最高)を記録しています。

この厳しい環境により富士山に降った雪は、昼間に表面が融かされ、夜には低温で固められ、さらに強風で磨かれるということを繰り返し、ブルーアイス(蒼氷)と呼ばれるコンクリートのようにカチカチの氷となります。
このようになると、アイゼン(靴につける滑り止めの爪)やピッケル(つるはしのような登山具)も歯が立たないため、一度滑ると岩にぶつかるまで止まらずに、急斜面を何百mも一気に滑り落ちることになります。他の雪山ではあまり見られないこのブルーアイスがあるために、生半可な雪山経験では冬の富士山は登れないのです。(実際に、2007年の1月1日に起きた滑落事故では、8合目から4合目までおよそ1,000mも一気に滑り落ちて登山者が亡くなっています)

Check Point!

富士山の万年雪と永久凍土

富士山の山頂付近の日陰には万年雪が夏でも残っていることがあります。特に火口の中には多く残っていることが多いようです。
また、あまり知られていませんが、富士山山頂付近には永久凍土があります。しかし、近年の温暖化により徐々に永久凍土の下限高度が上がっているとか。日本で他に永久凍土が確認されているのは、北海道の大雪山と富山県の立山だけだそうです。

例年、登山道の雪が消えるのは6月下旬のころで、7月まで雪が残ると開山が遅れることもあります。図のように、最低気温の平年値が氷点下を上回るのは7~9月の3ヶ月間だけです。最低気温は一般的に夜明け前に観測されるものですから、ご来光待ちの間はそれだけ寒さが厳しく、防寒具などの装備がないと耐えられないことを数字がハッキリと示しています。
ちなみに、富士山の8月の気温は、東京や大阪、福岡では1月並みの寒さです。但し、風速は、東京や大阪、福岡の1月では約3m/sですが、富士山山頂の8月では約7m/sと倍以上強くなります。

また、山岳周辺では一般に高度が100m上がるごとに気温は0.55℃下がるといわれ、山麓と山頂の気温差は約20℃にも上ります。日中と夜明け前の気温差が6℃前後あることも考えると、平地から来た登山者は、実に26℃近い気温差を一日の間に体感することになります。富士登山において、この気温差が登山者の体調管理をより難しくさせている要因でもあります。

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強風、雨、落雷

他にも忘れてはいけないのは、富士山では常に強風に晒されるということです。一般に、風速1m/sごとに体感温度は1℃下がるといわれます。8月でも富士山山頂の平均風速は、7m/sを超え、ときに20m/sを上回ることもあります。風を遮る樹木が生えていない5合目から上では、体感温度で軽く氷点下並みの寒さに晒されるということです。

さらに注意すべきは、突然の雨、落雷です。山の天気は変わりやすいと言いますが、特に独立峰で海や湖との間を遮る山のない富士山ではそれが顕著です。海や湖からの湿った暖かい空気が山体に吹きつけ、斜面にぶつかり上昇することにより上空の冷たい空気に触れ、急激に積乱雲が発達します。温度差の大きい空気がぶつかり合うことで大気が不安定になり、突風を伴った激しい雨と落雷が登山者を襲います。ですから、天気予報が晴れであっても雨具が必ず必要となるのです。

富士山は日本でも雨量が多いところとされ、特に中腹以上は年間降水量3,000mmに達すると推測されていますが(日本全体の年間平均降水量は約1,700mm)、一方で溶岩砂礫で形作られた山体は保水力に乏しく、森林限界の2,000~2,500mより上の地面は乾燥しています。つまり富士山は、天気によって環境の大きく変わる場所でもあるわけです。

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気圧と酸素濃度

富士山と酸素の関係

登山者にとってさらにやっかいなのは、標高が高くなるごとに下がる気圧の影響です。海面上では1気圧(1013.25hPa)ですが、10m高度が上がるごとに、およそ1hPa(ヘクトパスカル)ずつ下がります。
気象庁の観測によると、富士山山頂では7,8月の平均で646~648hPaとなり、平地の64%、およそ3分の2の気圧しかありません。
気圧が下がると空気の密度が減少し、1回の呼吸で吸い込める空気の量が少なくなるので、それに比例して酸素の量も少なくなります。

よく、「富士山では酸素(の濃度)が薄くなる」と言う人がいます。しかし、これは厳密には間違いで、「空気が薄い」あるいは、「大気の密度が低い」という言い方がより正確でしょう。

実際には高所において空気中の酸素の割合(濃度)が減るわけではなく、空気中に酸素が占める割合はおよそ21%で、その濃度は富士山のような標高の高い場所でも平地とほとんど変りません。
高所で酸素量が低下するのは、気圧の低下によって「酸素を含む大気自体の密度」が減少するためです。

  • =酸素が薄い(大気に占める酸素の濃度は変らない)

  • =大気が薄い(大気の密度に比例して酸素の量も減少する)

仮に、酸素濃度が3分の2に下がるとしたら14%となりますが、人間は酸素濃度が16%以下になると酸素欠乏症で死んでしまうはずです。でも、実際にはそんなことないですよね。

要するに、富士山のような高所では酸素の濃度が薄くなるのではなく、一定の容積における酸素の量が減るということです。この気圧の低下と、それに伴う酸素量の減少が登山者の身体に影響を及ぼし、頭痛や吐き気などという症状が現れます。これを高山病(こうざんびょう)と呼びます。
高山病がさらに悪化すると、高所性肺水腫、高所性脳浮腫という命に係わる状態になり、富士山でも過去に死者が出ています。そこまで重症でなくても、高山病にかかると登山自体が大変苦しく、楽しさも意欲も大幅に減退してしまいます。

この高山病への対策は、体調管理とペース、水分補給、それに呼吸です。酸素缶などでは、一時的に回復しても登山を続ける役には立ちません。また、酷く悪化した場合には、すぐに高度を下げなくてはいけません。高山病については、詳しく解説したページを設けていますので、よくご覧になってください。

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短い登山シーズン

7月、8月の登山シーズンが過ぎると、富士山は急速に冬支度を始めます。富士山では秋と言える期間はほとんどありません。早ければ9月初旬、例年でも中旬には初雪が降り、9月下旬には初冠雪(積雪)を記録します。10月にはすでに冬山の装いとなり、初心者が安全に登れる状況ではありません。つまり登山初心者の方が安全に登れるのは、雪の消えた開山日以降の7月、8月と、精々9月中旬までです。
但し、9月に入ってからの山頂でのご来光待ちは、寒さのレベルが8月とは比べ物にならないので、初心者の方は避けた方が無難です。万が一、防寒着、雨具の不十分な状態で暴風雪に見舞われたら、逃げ場の無い山頂で凍死という最悪の事態も起こりえるのです。

登山初心者の皆さんには、このような富士山の気象の特徴を頭に入れて、当ホームページを参考に安全に登山を楽しんでいただきたいと切に願います。

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富士山周辺の放射線量

NPO法人シナジーネットふじが、富士山周辺の放射線量を測定して、株式会社サンプラスのサイト『ずっと富士山』で公開しています。

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