富士山山頂から見る日の出・日の入り
御来光を目指す人は日の出の時間を確認しておき、その時刻を目安に計画を立てましょう。また、夜間登山や山小屋から夜空を眺めるときのために月齢を知っておくことも大切です。
御来光を目指す人は日の出の時間を確認しておき、その時刻を目安に計画を立てましょう。また、夜間登山や山小屋から夜空を眺めるときのために月齢を知っておくことも大切です。
日没時間の違いに注意
このページでは、富士山での日の出・日の入り時刻を表にしていますが、これらは地平線から昇り、地平線に沈む時刻であることに注意してください。場所によっては、富士山の山体(及び他の山の稜線)に遮られている間の時間差が発生します。
日の出の時刻であればさほど問題にはならないのですが、日没の時間が早まるということは、それだけ安全に行動出来る時間が減るということです。
特に、吉田ルート、須走ルートは富士山の陰になるので、暗くなるのが想像以上に早く、日が暮れてしまっているのにライトも持たずに下山している人を良く見かけます。これはとても危険なことですので、時間の余裕を充分に考えた計画を立て、行動しましょう。
満天の星空は、月の無い夜に
私たちが夜空を見上げるとき、周囲が灯りに満ちた都会の空ではなく、まさに漆黒の闇に浮かぶときにこそ月は美しさが際立ちます。また、月だけでなく星々の輝きもまた、暗闇にあってこそ映えるものです。登山としては例外的に夜間に登られることの多い富士山では、まさに都会を離れた夜の山ならではの楽しみとして月や星を見ることがあります。
そこで気にして欲しいのが月齢(げつれい)です。月齢は月の満ち欠けを表しています。星は、月が新月に近いほどハッキリとキレイに見え、逆に満月に近いほど月の明るさに負けてかき消されてしまいます。同じように、月が地平線下に沈んでいる間は、星がキレイに見られるということになります。天の川などをキレイに見たいという方は、満月前後の登山は避けた方がいいでしょう。
なお、下表で分かるように、満月のときには月が昇っている時間と夜の時間はほぼ一致していますので、「満月が沈んでから星を見れば両方のいいとこ取り」、というわけにはいきません。なぜなら、月は地球から見て太陽の反対側にあるときに満月となるため、必然として常に夜の側に位置しているからです。
表にある月齢の数値は、0.0が新月ですが、満月は14.8前後(13.8~15.8)と幅があります。これは、月の公転軌道が地球に対して完全な円ではなく、楕円であることによります。また、朔弦望(さくげんぼう)については暦要項(れきようこう)に基づいて表示していますので、正午を基準とするその日の月齢とはズレている場合があります。
月の出・月の入り、順番の逆転
なお、月の出入りは太陽の動きとは一致していないので、一日のうちで月の出入りの順序が逆転している日もあります。例えば、2015年の7月9日は、まず昼間に月が沈んで、夜中に月が昇り、翌10日の昼過ぎにその月が沈むということになります。
ペルセウス座流星群
毎年7月下旬から8月中旬にかけて、ペルセウス座流星群が夜空を駆け巡ります。富士山からも見ることが出来ますので、夜空を見上げてみましょう。
流星も月の影響で見やすさが異なりますので、観測に適した日時を見極めるうえでも、月齢や月の出・月の入り時刻の確認は欠かせません。
富士山の山頂(3776m)から見る、日の出の時間と日没の時間です。標高が高い分だけ平地における日の出時間よりも早くなります。リンク先のサイトは場所と日にちの設定が少し面倒なので、手軽に見られるようにカレンダーにしてみました。
登る月のカレンダーを画像としてスマートフォンに保存しておけば、電波の入らない場所でも日の出時刻を確認出来ます。
サイト外リンク
こよみの計算
国立天文台
※[計算地点]の項目の下の方、[その他]の欄で[富士山山頂]を選択
サイト外リンク
日の出日の入り(日本地名選択) - 高精度計算サイト
カシオ計算機
※[地名]欄で、[中部][富士山]を選択
残雪期
平地は暖かく桜が咲く時期ですが、富士山はまだまだ冬です。GW(ゴールデンウィーク)が近づいてくると静岡県側の3つの県道の冬期通行止めが解除され、5合目まで車で行けるようになります。山梨県側の富士スバルラインも5合目まで行ける日が増えて来ますが、気温の上昇に伴い大きな雪崩が頻発する時期でもあります。道路上まで雪崩が押し寄せてくることも無いわけではないので、通行には注意を払いましょう。
残雪期
GWが過ぎても、富士山はまだ雪を被っています。登山初心者が登れる状況ではありません。気温が上がってくると雪崩や落石も頻発するので、残雪の状態によっては5合目でも絶対安全とは言えません。
5月上旬から中旬にかけて、須走口五合目で幻の滝が流れ始めます。
新緑の候
富士山の中腹では、花のシーズンが始まります。8合目から上ではまだ雪が溶け残っています。5合目より上の山小屋はまだ開いておらず、登山初心者が山頂まで登るのは危険ですが、中腹までの散策であればいい気候です。
須走口五合目の幻の滝も、6月上旬~中旬には終わりを迎えます。
混雑のピーク
富士山が登山者や観光客で最も混雑する時期です。
今年のペルセウス座流星群は、8月13日の午前4時ごろに極大(きょくだい=ピーク)を迎えます。月が明るいと流星も月の光にかすんでしまいがちですが、今年の極大日の月齢は4で三日月に近く、薄明に近いピークの時間よりも少し前、12日の夜からが観測に適しています。極大の日以外でも前後1週間ぐらいは流れ星が多く見られるので、夜空を見上げて願い事を祈ってみましょう。
山仕舞い
富士山は、9月10日に山仕舞いとなります。山小屋も続々と閉まっていくので、登山初心者が登れるのは9月中旬までとなります。山小屋が閉まるとトイレも使えません。
初雪の平年日は9月14日ですが、9月に入ったらいつ雪が降ってもおかしくありません。しかし、本当に怖いのは、雪よりも『冷たい雨』です。気温の低い日に雨に濡れると急速に体温が奪われ、疲労凍死する恐れがあります。手袋、登山靴まで含めた防水・防風・防寒対策を怠らないようにしましょう。
初冠雪(はつかんせつ)の平年日は、9月30日となっています。
山頂では降雪・中腹では紅葉
富士山の山頂では昼間でも気温が氷点下を下回り、根雪が徐々に標高を下げていきます。登山初心者が登ってはいけません。一方、中腹では紅葉を迎え、散策にはいい気候です。
降雪期
11月下旬には、静岡県側の3つの県道が冬期通行止めとなり、5合目まで車で行けなくなります。山梨県側の富士スバルラインも、5合目まで行けない日が増えて来ます。