富士登山のサイトを運営していますが、あえて遭難事故を掲載するべきかどうか、少し悩みました。
近年、登山ブームが加熱する一方で、充分な知識も経験も無い登山初心者までもが富士山に押し寄せるようになり、富士山でも遭難事故が後を絶ちません。マスコミでも遭難事故が取り上げられる機会が増え、それに対して世間の目も厳しくなっていると感じます。
「登山は自己責任なんだから、救助の必要は無い」「こんな奴等を救助するなんて税金の無駄遣いだ」などなど、遭難者に対して心無い言葉を浴びせ、ときに人格攻撃まで行われるまでになっています。
私個人としても、興味本位の単なる野次馬と見られたくはないですし、人の生き死にを伝えるというのは相手もあることですから生半可な気持ちで出来ることではありません。以下のリンクのように、すでに富士山の遭難を扱ったサイトもあったので、ここには手を触れないつもりでいました。
しかし、件のサイトも2013年の1月を最後に更新が止まり、無謀な登山者に警鐘を鳴らすという意味でも、このような記録をまとめることは無駄ではないとの思いから、当サイトで記録をまとめることとします。
なお、このページは、遭難者を晒し者にしたり、ミスを論ったりすることを目的として作っているわけではありません。ご覧になっている皆様にも、他人を一方的に非難し誹謗中傷するために利用することは厳に謹んでいただきたく、お願い申し上げます。それが出来ないという方は、ご覧にならないでください。
あなたの遭難事故を防ぐのは、あなた自身に他なりません。そのために、このサイトを利用していただければそれで十分です。
なお、昭和31年(1956年)から平成25年(2013年)の58年の間に、山梨県側だけで293人が亡くなっています。
静岡県警が公表している資料から、ルートごとに異なる事故の傾向をある程度読み取ることが出来ます。以下の表は、平成20~24年の5年間の事故割合をまとめたものです。