1月1日から富士登山へ出かけていた夫と連絡が取れないとして、男性の妻から警察へ通報がありました。
記事では3日になって連絡があったとのことですが、1日夜に富士山に入り、2日の朝に登山を開始して当日の内に下山する予定だったようです。
富士山で起きた遭難事故をまとめています。
1月1日から富士登山へ出かけていた夫と連絡が取れないとして、男性の妻から警察へ通報がありました。
記事では3日になって連絡があったとのことですが、1日夜に富士山に入り、2日の朝に登山を開始して当日の内に下山する予定だったようです。
連絡が取れなくなっていた男性が、五合目の「不浄流し」と呼ばれる沢で心配停止の状態で倒れているのが発見されました。その後、男性は死亡が確認されています。警察によると男性はザックなどの装備品を身に着けていなかったことから、さらに上部から滑落したものとみられています(滑落の衝撃で装備が飛ばされた)。
登山計画書によると2合目までの往復という計画だったようですが、普通吉田口を麓から登る場合、2合目までで帰ってくるというのは考えづらいです。2合目には富士御室浅間神社がありますが、周囲は樹林帯で見晴らしも無く、目的地として設定するにはあまりにも中途半端な場所だからです。発見現場が5合目ということからも元々もっと上を目指していた可能性があります。
発見現場
なお、不浄流しと呼ばれる沢は富士山にいくつもあり、時代による変遷などもあって特定が難しいのですが、今回の発見現場としては恐らく吉田ルート登山道の夏道から一本東側、下山道との間の沢を指すと思われます。
目的地を2合目としていて不浄流しまで迷い込むことはあまり考えられませんが、遭難者の男性が富士山を訪れるのが初めてということであれば全く無いとも言い切れません。
登山計画書は正確に
富士吉田署による5日の発表によると、死因は頚椎骨折だそうです。やはり滑落、それもかなりの高さを落ちたと推測されます。
事実関係がハッキリしていないので適当なことは言えませんが、一般論として登山計画書は事実を正確に書いてこそ役に立つものです。今回の遭難も、別の遭難者の捜索中に偶然見つかったわけで、登山計画書の通りに2合目付近だけの捜索にとどまっていたら発見はもっと遅れたかも知れません。
このケースに限らず、遭難者が生存していても登山計画書の記載が間違っていたら、自ら生還の可能性を狭めることになるということです。