富士山スカイライン太郎坊線は、御殿場ルートの登山口である御殿場口新五合目にアクセスする自動車道です。
富士山スカイラインは、静岡県御殿場市茱萸沢(ぐみざわ)から富士宮市までを富士山中腹を通してつなぐ、通行無料の一般道路です。
御殿場口新五合目へは、途中の太郎坊洞門(太郎坊入口)で枝道へと曲がります。
御殿場市方面からは、国道246号線『ぐみ沢丸田』交差点から5合目まで距離14.8kmとそれほど長くはなく、急カーブも少ないため比較的走りやすい道です。
富士宮市方面からは、国道139号線『登山道入口』交差点から5合目まで距離28.4kmと長く、一部に急勾配と急カーブの区間がありますが、上りきってしまえば平坦で走りやすい道が続きます。
距離 (所要時間:自動車) | 起点 | 終点 | 勾配 標高差 |
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13.1km (約24分) | 御殿場市茱萸沢 (『ぐみ沢丸田』交差点) | 御殿場市中畑 | 平均6.1% 800m |
標高477m | 標高1,277m |
距離 (所要時間:自動車) | 起点 | 終点 | 勾配 標高差 |
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26.7km (約43分) | 富士宮市 (『登山道入口』交差点) | 御殿場市中畑 | 平均4.1% 1,088m |
標高189m | 標高1,277m |
距離 (所要時間:自動車) | 起点 | 終点 | 勾配 標高差 |
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1.7km (約2分) | 御殿場市中畑 | 御殿場市中畑 | 平均9.6% 163m |
標高1,277m | 標高1,440m |
マイカー規制のない唯一の5合目アクセス道路
御殿場口 カレンダー(マイカー規制はありません)
御殿場口新五合目にアクセスする富士山スカイライン太郎坊線区間に、マイカー規制は行われません。しかし、富士登山駅伝の行われる日は規制が行われるので注意が必要です。
御殿場ルートでは、2015年8月2日(日)に富士登山駅伝が行われます。その関係で、2013年には9:00~12:30の間、5合目の駐車場で車の移動が出来ないと告知されていました。
そうでなくても当日は関係者の車などでごった返すでしょうから、この日の登山は避けた方がいいでしょう。
富士山スカイラインは標高が高いところを道路が通っているため、10~11月ごろから翌年4月ごろにかけて雪が降ったり路面が凍結することがあります。それでも周遊区間は冬期閉鎖されることはありませんが、太郎坊洞門から御殿場口新五合目までの区間は例年11月ごろから翌年4月末ごろまで、冬期閉鎖となります。
なお、規制がいつ開始されるかは路面状況により決められるため、閉鎖の時期は毎年異なります。現在の状況については、下記のサイトで確認してください。
解除 | 閉鎖 | |
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2012年 | 11月26日(月)正午 | |
2013年 | 4月26日(金)午前11時 | 11月25日(月)正午 |
2014年 | 4月25日(金)午前11時 | 11月17日(月)日正午 |
2015年 | 4月24日(金)午前11時解除予定 |
天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!
太郎坊の名称は、富士山に住む大天狗、太郎坊権現に由来します。
この地点に太郎坊の標柱が建っていますが、太郎坊の地名は標高1,400m付近の広い一帯を表すもので、特定の地点をいうものではないようです。
1966年3月5日、太郎坊でひとつの悲劇が起こりました。快晴の富士山上空で、英国海外航空(British Overseas Airways Corporation)の旅客機が乱気流に遭遇し空中分解、太郎坊付近に墜落したのです。
その後、犠牲者の鎮魂のために御殿場市によって慰霊碑が建立されました。
富士山の乱気流
事故の原因は『山岳波(定常波)』と呼ばれる、低気圧によらない『晴天乱気流』です。
山岳波は、山体にぶつかった強い風が風下で乱流となるもので、積乱雲を伴わないため予測や目視での回避が難しく、山岳波が発生しやすい場所を避けて飛ぶしかないために、その回避にはパイロットの経験や事前の地形知識に負うところが大きいとされます。
詳しくは、柳田邦男著『マッハの恐怖』(新潮文庫)で検証されているようですが、残念ながらすでに絶版となっています。
御殿場口周辺は雪崩が多い場所として知られています。御殿場市が運営していたスキー場も幾度も雪崩の被害に遭い、閉鎖に追い込まれたほどです。
一方で、冬期でも使用できる自動車道から近いこともあり、冬山登山の登り口として多くの登山者に利用されていますが、冬富士の厳しい自然の前に遭難死した人も少なくないようです。
御殿場ルートの5合目登山口です。
御殿場口新五合目には、駐車場やバス・タクシーの乗り場、売店、観光案内所があります。
登山道の入口には鳥居が建っており、これは今年(2013年)に新しく建て直されたものです。
御殿場口新五合目 | |
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利用時間 | 24時間 |
利用期間 | 4月下旬~11月下旬(冬期閉鎖あり) |
公衆トイレ | あり |
自動販売機 | あり(ハーフマウンテン前) |
公衆電話 | あり(ハーフマウンテン脇) |
二段に減らされた駐車スペース
御殿場口新五合目の駐車場は三段に分かれており、全て舗装されています。かつては、この三段全てが一般車の駐車場として利用出来たのですが、2014年には一番上の第一駐車場がバス専用となっており、案内所の他に民間企業の展示ブースが設けられていました。なお、二股に分かれた先からは、時計回りの一方通行ですので逆送しないように注意してください。
駐車場は、無料で停められます。これまでは、御殿場口新五合目の駐車場が満車になることはあまりないとされてきましたが、富士山が世界遺産に登録されたことと第一駐車場が使えなくなった影響で、週末やお盆休みには満車になる可能性も出てきました。
御殿場口新五合目駐車場 | |
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利用時間 | 24時間 |
利用期間 | 4月下旬~11月下旬(冬期閉鎖あり) |
収容台数 | |
駐車料金 | 無料 |
空き地に間違えて停めないように
なお、案内図には記載されていないのですが、第三駐車場の前にも未舗装の駐車場があります。しかし、これは自衛隊の東富士演習場敷地内となっていて、一般車の乗入れは出来ませんのでご注意ください。
登山シーズンの7~8月は、登山バスが運行しています。バス停の前には、屋根つきの待合所があります。
バスチケット売り場はありませんので、往復チケットでない方は、バスに乗るときに運転手から購入してください。もしかしたらハーフマウンテンで販売しているかも知れませんので、そちらで尋ねてみてもいいでしょう。
客待ちタクシーは居ないものと思っておこう
タクシー乗り場もありますが、普段あまりタクシーが客待ちをしているのを見ることがありません。
携帯が繋がらないときでも、売店脇に公衆電話があるのでタクシーを呼ぶことは出来ます。
薬剤臭いトイレ
トイレは無料で24時間使えますが、洗浄水を循環させているとかで薬剤の臭いが酷いです(小便器のことなので男子トイレだけかも知れませんが)。すぐに気分が悪くなるほどなので、あまりここのトイレの使用はオススメしません。
壁についているフックは、ザックを引っ掛けるためのものでしょう。
公衆トイレ | |
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利用料金 | 男女別無料 |
利用時間 | 24時間(循環式水洗:[男]洋式1) |
利用期間 | 4月下旬~11月下旬(冬期閉鎖あり) |