ツアーガイドの責任はどこまでか
7月22日の朝、吉田口7合目から下山を始めた男性が転倒し、顎の骨を折る重傷を負いました。記事によると、この男性は一泊二日のツアーに参加、7合目の山小屋に宿泊しましたが体力を消耗していたためにツアーのガイドが下山を勧めたということです。単独で下山させられたわけではないようですが、山小屋に急を知らせたのが他のツアー客となっていることから、ガイドは下山に同行しなかったのでしょう。
このケースでは仮にガイドが付き添っていても怪我は避けられなかったかも知れませんが、怪我をした後の処置などの負担をツアー客に負わせてしまったわけです。果たしてそれでツアーガイドの責任を果たせたと言えるでしょうか?
吉田口の岩場は途中下山には厳しい
事故の原因は、「頭がくらっとした」との証言があることから目眩のようですが、これが疲労や高山病などによるものかどうかは分かりません。しかし、吉田口の7合目花小屋から上は急傾斜の岩場が続きます。この岩場を逆に下りていくのは難易度が高いです。下山させなければいけないぐらい疲労した状態であれば、尚更です。
各山小屋には下山道に通じるブル道がつながっていますから、山小屋に許可を得て下山道へ誘導することもガイドには出来たはずです。その判断も含めて、この事故にガイドの責任がないとは言えないでしょう。